《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第12章 事件、ふたたび
「それは警察全体の見解ですか?」
「まずは謝罪だと思いますけど、いかがですか?」
「警察は身内に甘いと言われていますが、ご自分もそうだとは思わないんですか?」
一松さんが舌打ちをして、私を強引に連れ出した。
私も我に返り、慌てて再び走り出す。
なんとか記者たちを振り切り、赤塚駅まで一気に走った。
自転車置き場の前で止まると、私たちはとりあえず上がった息を整えた。
「お、おまえ、何考えてんだよ」
一松さんが息を切らしながら睨んでくる。
「だって……」
「あんなこと言っちゃって大丈夫だったの……?」
「チョロ松警部のことをひどく言われて、つい頭にきちゃって……」
「もし俺が視聴者だったら、余計警察嫌いになるけどね」
「ですよね……」
つい、夢中になって反論してしまったけど、「聞かれても何も答えるな」と上から言われていたんだった。
自分のやってしまったことの重大さに今更ながら気づき、肝が冷える。
「ど、どうしよう、一松さん……」
「いや、そんなの俺に聞かれても……」
一松さんが困ったような顔をして、汗を袖で拭った。
「このままだと警察をクビになっちゃうかも……」
「マジで……?」