《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第12章 事件、ふたたび
一方、新人の私は今まで通りのペースで仕事を続けられていた。
たぶん、私に仕事が回りすぎないように、トド松先輩が調整してくれているのだろう。
私も頑張って少しでも先輩を助けなくちゃ……。
書類を片付けると、今日も外回りに出かける。
署を出た瞬間、いつもとは全く違う風景に私はギョッとして足を止めた。
警察署の前にはカメラを持った人、人、人……。
目の前でフラッシュがいくつも光った。
「すみません! 警察の方ですか?」
一斉にマイクとカメラを向けられる。
「え……」
いきなり大勢の記者に囲まれ、戸惑っていると、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「今回のチョロ松警部の逮捕について、どう思われますか?」
「同じ警察官が殺人事件と通り魔事件を起こしたことについて、感想は?」
「チョロ松警部は普段はどんな方でした? やっぱり不審な行動とかありました?」
そっか、チョロ松警部の逮捕がとうとうマスコミに伝わったんだ……。
噂では、あつしさんが裏から手を回してチョロ松警部の事件が報道されるのを数日引き伸ばしていたらしい。
でも、引き伸ばせたのも今日までだったということだ。
いや、もちろん数日でもすごいと思うけど……。
私は、なんとか人だかりを抜けようとするが、あまりに大勢に囲まれたため動けない。