《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
顔が熱くなる。
「そんなはずは……」
「そんなはずはないって? 無意識にやってたの? 悪い子だなあ。さてと、話をしている間にもう時間だ。すぐにカメラはこちらを向く。移動しようか」
「え?」
あつしさんは腰を折り、私を軽々と抱き上げた。お姫様抱っこのスタイルだ。
「あつしさん……?」
「しっ、黙って。3……2……1……」
カメラがゆっくりと動き始めた。
あつしさんはその動きを見ながら、うまく写らないようにゆっくりと私を部屋の中央に運ぶ。
カメラが完全に向きを変え終わると同時に、私は部屋の真ん中にあったテーブルの上に降ろされた。
「さてと、今から10分後にまたカメラは僕らのいる中央を向く。急がないとね。10分で君を落とさなくてはいけない」
あつしさんは素早くテーブルから書類をどかし、スーツの上着を脱いだ。
右手で首元のネクタイを緩めると、にっこりと笑い、テーブルの上の私に覆い被さる。
「あつしさん、もういいです。分かったので……」
「本当に?」
「はい」
あつしさんが手を伸ばし、私の唇を指で撫でた。
「もういいの? あんなに物欲しそうに腰をくねらせてたくせに……」
「あ……」
腰を動かしていたの気づかれていたんだ……。