《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
「もちろん、僕も気持ちよかったよ……橋本くんは男を煽るのがうまいね……」
少し顔を赤らめ、はにかんで笑うあつしさんに思わずドキリとしてしまう。
私は慌てて顔を逸した。
だめだ、これ以上、呑まれてもいいことなんてきっとない。
それに監視カメラにだって見られてる……。
私はまた天井のカメラに目をやり、なんとか少しだけ残っている理性を働かせようとした。
「ああ、監視カメラなんだけどね、今、僕たちがいるこの場所は死角になっているんだ。分かるかな。カメラが今、写しているのは、部屋の中央部分なんだよ」
あつしさんが事も無げにさらりと言う。
「そんな……」
写っていなかったなんて……。
「あのカメラはね、10分毎に自動で向きを変えるんだよ。もう少ししたら、こちらにカメラが向いて、僕らが今いる部屋の隅を写すはずだ」
「じゃあ、もう、こんなことやめませんか……」
あつしさんは、私の片方の手を離し、腕の高級時計を見た。
「さっきカメラが中央に向きを変えてから、9分が経過した。君とのキスが思いがけず長引いたようだね。だって、君、すっごく気持ちよさそうに舌を絡めてくるから」
「っ!」