《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
あつしさんは書類を閉じた。
「よっぽど研修の時にみんなの心を掴んだようだね。そんな新人くんがどんな子なのか一度会ってみたかったんだ」
「推薦して頂いていたなんて知りませんでした……」
「うん。それにしても、いかにも女刑事って感じの我の強そうな鋭い女性かと思ったら、初々しい小さな女の子だったからびっくりしたよ」
あつしさんがクックッと笑いながら話し続ける。
「しかも、こんな美人なお嬢さんだとはね。あのね、僕はいかにも刑事って感じの女性は苦手なんだ。周りにいくらでもいるからね。君みたいな初々しくて何も知らないような子が好きでね」
「はい……」
話が見えない。
なぜあつしさんの好き嫌いの話?
あつしさんは微笑んだ。
「君さ、僕と付き合わない? もちろん、きちんとした大人のドライな関係として、ね」
私は驚いて顔を上げた。
付き合う? あつしさんと?
「あの……それはもしかして、愛人、という意味でおっしゃっていますか?」
私が尋ねるとあつしさんは笑顔で頷いた。
「さすが察しがいいね。話が早い。欲しい物があればプレゼントするし、どこへだって連れて行ってあげるよ? 君の住むマンションも用意しよう」