《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
「あっ、は、はい!」
慌てて返事をすると、トド松先輩がちらりと私を見た。
何かを言いたそうにも見えたが、さすがにここで私語は交わせない。
トド松先輩は、黙って部屋を出ていった。
なんで私だけ残されたの?
思い当たるのは、やっぱりチョロ松警部の逮捕の件。
どうしよう。
もしかして、刑事辞めろとか言われるんだろうか……。
緊張しながら立っていると、あつしさんは目の前に来て顔を覗きこんできた。
気押された私は一歩後退った。
「橋本くんは、最近配属されたばかりだっけ?」
あつしさんは穏やかに口を開いた。
「はい。そうです」
「仕事は慣れた?」
「はい。でもあまりに色々ありすぎて、まだ事実についていけてないというか……」
すると、あつしさんは頬を緩めた。
「うん、分かるよ。上司が逮捕されるなんて大変だったね」
「え? あ、は、はい……」
優しい言葉をかけられ、面食らっていると、あつしさんは椅子に戻り、机の上の書類をめくった。
「ここにね、君の訓練校時代の成績の記録があるんだ」
「え……」
途端に身がすくむ。