《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
「本人は何と言ってるの? 動機も分からないんだよね?」
「取り調べは署長が行っています。チョロ松警部は今は黙秘しているそうです」
あつしさんが顎に手をやった。
「大丈夫なの? 明日には検察に送検するのに。あのさ、誤認逮捕なんてごめんだよ? 凶器もまだ全部見つかっていないと聞いたけど」
「はい。チェーンソーがまだ見つかっていません」
チェーンソー……。
以前、トド松先輩が『通り魔事件は、毎回凶器にチェーンソーが使われている』と言っていた。
最後の1回――私が公園で襲われた時だけ、鉈と金槌が使われた。
「今日の午後には、チョロ松警部の自宅を家宅捜索しますから、チェーンソーも出てくると思いますよ」
トド松先輩があつしさんを見る。
昨日の推理、本当にあれでよかったんだろうか?
私は段々と不安になってくる。
チェーンソーについてはあまり考えていなかった……。
なぜ、チョロ松警部は、私を襲った時にはチェーンソーを使わなかったんだろう?
鉈と金槌を使ったことで、結果的に工場の事件と結びつき、犯行がバレて、警部は捕まってしまった。
捕まるリスクが増えるのに、通り魔事件にも鉈と金槌を使う理由があったんだろうか?