《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第11章 一軍様のリッチなお誘い(※あつし)
私とトド松先輩は、警察庁から来た幹部の一人、あつし理事官に応接室に呼び出されていた。
「そうか、なるほどね」
あつしさんは、報告書に一通り目を通すと、私たちを交互に見た。
書類には、チョロ松警部逮捕の詳細が纏められている。
私もトド松先輩も緊張のせいか、あつしさんの前で直立不動の状態だ。
一体、何を言われるんだろう。
私はあつしさんを恐る恐る見つめる。
パリッとしたブランド物のスーツ。
シワ一つない洒落た柄のワイシャツ。
胸元にはさりげなくポケットチーフが覗き、銀のチェーンブローチが上品に光る。
テーブルに置かれた手に目をやると、袖から顔を出す高級時計が圧倒的な存在感を放っていた。
若くして今の階級へ異例のスピード出世を遂げたあつし警視正。
今は、警察庁で理事官という立場にある。
まさしく一軍のデキる男性。
女性たちからのお誘いも絶えないと聞く。
「……で、チョロ松くんがやったのは間違いないんだよね?」
あつしさんは落ち着いた口調で尋ねた。
「はい……凶器が出てきていますから」
トド松先輩が弱々しく返す。