《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第10章 銀行強盗
「なるほどね〜」
トド松先輩が腕を組んで納得したように頷いた。
「でも、実際、警察に入ってみたら想像以上に出来なくて。訓練もギリギリの成績だったし、いざ配属されれば現場仕事の初日から道に迷うし、洋館にいけば眠らされるし」
私は苦笑いをした。
「でも、昨日は推理して事件解決に繋がったでしょ? ゆりちゃんはよく頑張ってると思うよ」
トド松先輩が優しく返してくれる。
「う〜ん、結果的に上司を逮捕しちゃったから、よかったのかどうなのか……」
「ゆりちゃん、それは違うよ。たとえ、上司でも犯罪は犯罪なんだから。逮捕して正解なんだよ」
トド松先輩はそう言いながら、デスクのPCに電源を入れた。
「どうしたんですか?」
「ん〜。そんな大きな事件なら、データベースに記録があるかなと思って……」
トド松先輩がキーボードで素早く文字を打ち込む。
「えっと……あった! これだ。赤塚銀行強盗未遂事件の記録」
私はトド松先輩のPCを覗き込んだ。
トド松先輩が文字を指で追う。
「ええっと、犠牲者は……」
私は画面を見つめた。