《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第10章 銀行強盗
「そうだっ! 僕の地元で二人でのんびりとカフェでも開くってのはどう?」
トド松先輩が可愛らしくウインクをする。
え? それってつまり『一緒になろう』って意味……?
瞬間、欲情した顔で私のへそを舐め回すトド松先輩の姿が頭に浮かんだ。
「あ……」
乱暴で激しい情事が脳裏に蘇り、下半身が熱くなる。
今、部屋に二人きりなのに思い出したらまずいよ……。
思わず俯くと、トド松先輩が「えっ?」と声を上げた。
「え? え? えええっ!? ゆりちゃん、何、赤くなってんの!?」
「あ、いえ……あの……」
顔を早く冷ましたいと思えば思うほど、余計に熱が集まってくる。
「いや! いやいやいやいやっ! そこは『も〜先輩ってば、何をまた思いつきで適当なこと言ってるんですか〜!』て突っ込むところでしょ!? え! えっ! なっ、マジ照れ!?」
「すみません……」
「ええっ……あー……いや……僕もごめん……。そっか、もう、そういう冗談で済ませられる仲じゃないよね……」
トド松先輩も顔を染め、横を向いた。
微妙な空気が流れる。
いくら何でも職場でこの雰囲気は辛すぎる。
私は慌てて手を振った。
「やだな〜先輩! 大丈夫ですっ! 先輩も私も酔ってましたもんね! お互い覚えてなくて当然ですよっ!」
「覚えてるよ……」
トド松先輩が横を向いたまま、ぽつりと言う。
「え……」
「あれから何度も何度も思い出してるもん。忘れるわけないよ……」