《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第9章 犯人はあなたですね
「ゆりちゃん……?」
私の言いたいことが分かったのだろう。
トド松先輩が体を震わせた。
「数日前、公園で私は仮面の通り魔に襲われました。通り魔は、鉈と金槌を持っていた。鉈はかなり破壊力のある刃物です。金槌で思い切り叩き込めば、強い衝撃で深く傷をつけられますよね?」
チョロ松警部が首を振った。
「つまり、同じ凶器が使われたと言いたいのか? ブラック工場のデカパン所長を殺した犯人が、仮面の通り魔と同一人物で、しかもそいつは警察の人間? そんな都合のいい人間がいるもんか」
「いるじゃないですか……」
私はチョロ松警部を見つめた。
「え……?」
「IDカードを持っている警察の人間で、ブラック工場にも普段からよく出入りしていて、仮面の通り魔が捕まらないように捜査をコントロールできる立場にいる人間です……」
「何を言って……?」
チョロ松警部が不安そうに眉を顰めた。
「チョロ松警部……。私が仮面の通り魔に襲われた日、夜遅くまで署に残っていましたよね?」
「は?」