《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第9章 犯人はあなたですね
私はイヤミさんを見上げた。
「ところで、イヤミさん。外部の人間でIDカードを持っているのは誰ですか?」
「良く出入りする業者には渡してあるザンス」
「IDカードを持っている業者のアリバイは、私とトド松先輩で全て調べてあります。どの業者もアリバイがあります。IDカードを持っているのは、本当にその人たちだけですか?」
イヤミさんがムスッとして言い返す。
「そうザンスよ! そんな簡単にみんなには配らないザンス!」
「イヤミさん、このブラック工場は、『ブラック』と謳っているだけあって、色々とトラブルも多いみたいですね。だから、よく警察も来る。馴染みの警察にはIDカードを渡してあるんじゃないですか?」
「ゆりちゃん! 何言ってるの!?」
十四松さんがギョッとして叫んだ。
「わ、渡してあるザンス……」
イヤミさんが苦しそうに呻いた。
「たぶん警察の何人かは、ここのIDカードを持っているはずです」
チョロ松警部が呆れ顔で私を見る。
「でも、我々捜査員は、みんな通報があってから駆けつけたんだ」
「本当にそうでしょうか? イヤミさん、昼休み前に使われたIDカードの履歴も調べられませんか?」
「すぐに調べてくるザンス!」
イヤミさんが駆け出していった。