《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第9章 犯人はあなたですね
「死亡推定時刻って、室温も考慮して計算していますよね? 部屋が一般的な室温だと考えて、計算されたんじゃないですか?」
「そりゃ、そうだけど……」
十四松さんが口ごもる。
「十四松さん、デカパン所長が倒れていた場所、他の場所よりも寒くないですか……?」
「えぇっ!」
慌てて十四松さんが製造室に入る。
「うー本当だ! ここだけ寒い!」
震えながら十四松さんが出てきた。
「おそ松さんがさっき『ここだけ異常に寒い』って言っていたので、気付きました」
「へへへ」
後ろのおそ松さんが自慢げに鼻を擦る。
「でも、製造室の中にいても気づかなかったけどなー」
十四松さんが不思議そうに首を傾げる。
「部屋の奥は、そこまで涼しくないですから。製造室は入り口と奥でかなり温度差があるんです」
私たちは今まで誰も気付いていなかった。
製造室の中には、大量の大型機械とベルトコンベア。
機械からの発熱で部屋はかなり暑くなるはずだ。
「製造室の中は、冷房をつけていてもなかなか温度が下がらないんです。だから、設定温度も通常より低めにしてあるはずです。業務用の空調なのでかなり低い温度まで設定できますよね」
今度はトド松先輩が走って空調の温度を確認しにいく。
「本当だ! 設定が4℃になってる! 冷蔵庫レベルだよ!」
トド松先輩がパネルを見ながら言った。