第9章 犯人はあなたですね

私たちは製造室の前に移動した。

チョロ松警部、トド松先輩、十四松さん、おそ松さん、一松さん……。
イヤミさんに他の捜査員たちも勢揃いしている。


「そもそも……私たちは大きな勘違いをしていたんじゃないでしょうか」
緊張しながら、私はゆっくりと話し始めた。


「勘違い？」
トド松先輩が、不思議そうに返す。


「はい……。デカパン所長が発見されたのは昼休み中でしたよね？」

「うん」

「2班が食堂に行く時は遺体はなかったのに、休憩を終えて食堂から戻ってきたら遺体がありました」


2班の休憩は、12時から13時の間。
その間にデカパン所長の遺体は出現した。


「だから私たちは思い込んでしまったんじゃないでしょうか。『所長は昼休みの間に殺された』と……」

「！」
みんなが一斉に私を見る。

「でも、本当はもっと前に殺されていたかもしれないですよね？」

「ゆりちゃん、それは違うよ！」
十四松さんが反論する。

「遺体の死亡推定時刻は12時から13時。2班の昼休みの時間とピッタリ一致してるよ」

「でも、それは冷房が普通に稼働していた場合の話ですよね？」

「冷房？」
十四松さんも、他の捜査員たちもきょとんとした。