《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第8章 謎、解けましてございます
「あっ、そういえば、被害者が倒れてた場所はまだ見てなかったな〜。どこだっけ?」
おそ松さんがキョロキョロと現場を見回す。
「あれ? おそ松さん、一番最初に見ましたよね? その製造室の入り口付近です……って、おそ松さん、服!」
私は服を持って、走り出したおそ松さんを再び追いかけた。
追いつくと、おそ松さんはデカパン所長が倒れていた場所にあろうことかダイブしようとしている。
私は慌てて大声を出した。
「おそ松さん! だめ! 危ないですっ!」
「……シンブンシッ」
「あれ? おそ松さん?」
「シンブンシッ、シンブンシッ、スポーツシッ!」
おそ松さんはダイブするのをやめ、震えながら鼻を啜った。
「それ、くしゃみですか? 最後、完全に『スポーツ紙』って言ってますよね?」
「うう、さみぃ……」
私はおそ松さんに服を渡した。
「もぉ、全裸でいるからですよ」
「ゆりちゃん、ここだけ寒すぎじゃね?」
「製造室は冷房入っていますから」
「いや、ここだけ異常に寒すぎだろ」
おそ松さんは服を着ると、ポケットからティッシュを取り出し、鼻をかんだ。
「『ここだけ異常に寒い』……?」
私はおそ松さんの言葉を繰り返した。
何かが引っ掛かった。