《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第8章 謎、解けましてございます
「あの、一松さん?」
私は恐る恐る話しかけた。
「……何?」
「最初と最後の写真だけ見せてもらえばいいから……。連続して撮ったのは明らかなので……」
途端に一松さんが血走った目で叫び始めた。
「何言ってんだよ! どの写真もこんなに可愛いのに! 全部きっちり見ろよ! ゴルァァァア!」
「えぇ〜……」
その後、私たちは色々なミーコ(一松さん談)の写真を500枚延々と見続けた。
「……で、これが餌を食べ終わったミーコ……」
ようやく500枚目。
表示は『8月X日 12:20』
一松さんは空白の時間であった12時10分から12時20分までの間、ずっと裏庭にいたことが確定した。
裏庭から食堂へは数分しかかからない。
写真を撮り終えてすぐに食堂に戻ったのだろう。
「一松さんは犯人じゃないな。アリバイ成立だ」
チョロ松警部もようやく納得し、おそ松さんを振り返った。
「さすがおそ松くん! 一松さんの心を和ませ、証言を引き出したんだ!」
「いや〜たははは! やめてよ、チョロさ〜ん」
おそ松さんが頬を赤く染めた。
確かにおそ松さんがみんなを和ませなかったら、一松さんは証言をしてくれなかったかもしれない……。
私はおそ松さんを見直し始めていた。