《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第2章 謎はブラックに始まる
「よく見たら一松さんじゃないですか! お久しぶりです!」
一松さんはビクッとして一歩後退ったが、チョロ松警部とトド松先輩の顔を交互に見て理解したらしい。軽く会釈した。
「ああ、あんたたちか。あの時はどうも……」
「あの時?」
私が尋ねると、トド松先輩が教えてくれる。
「ゆりちゃんも聞いたことあるでしょ? 4ヶ月前にあった洋館の主人が殺された事件」
洋館の主人が殺された? 私は記憶を辿った。そういえば、何となく覚えている。
「えっと、一時期よくニュースになっていた事件ですよね? 確か被害者は松野財閥の……」
「そうそう。僕たちが捜査を担当したんだよ。亡くなったのは、松野財閥の松野カラ松さん。一松さんも被害者のお一人だよ。庭師として洋館にお勤めになっていて、事件に巻き込まれたんだ」
「巻き込まれた?」
「犯人に刺されて、時計塔に張り付けにされていたんだよ。その後、何とか一命を取り留めたってわけ」
「刺された上に張り付け!? 大変だったんですね……」
一松さん、そんな酷い目に遭っていたなんて。助かったのが奇跡なのでは……。
チョロ松警部も頷き、一松さんに微笑んだ。
「事件の後、ここで再就職されていたんですか」
「はい……」
一松さんは答えると、チョロ松警部とトド松先輩に挟まれて立っている私を見た。
「ふうん……あんたも刑事さんだったんだ……」
「あ、はい。チョロ松警部のチームの橋本ゆりです」