《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第8章 謎、解けましてございます
何? 何なの? この狂った空間は?
私は一人、笑いの輪の中に入れず、呆然としていた。
一松さんが笑いながら、ふっと息を吐いた。
「しょうがねぇな……。クソ松殺人事件の時のなごみ探偵にまた会えるなんて……。空白の時間のこと、話すよ……」
「えぇっ、この流れで!? どこに話したくなる要素が!?」
話についていけない私を無視して、一松さんは頬を緩ませながら話し出した。
「あの日、食堂を10分だけ抜けたのは、工場の裏庭にいる猫に餌をやりに行ってたんだ……」
「本当? 一松さん!」
「うん……。俺、仕事中も猫の世話でちょこちょこ抜けるんだ。あんたに初めて会った時もミーコと一緒にいたでしょ……?」
私はホッとした。
やっぱり一松さんは犯人じゃなかったんだ。
トド松先輩が鋭く突っ込む。
「何で今まで黙っていたんですか? 初めから話していればよかったのに」
「イヤミマネージャーは猫アレルギーだから……。裏庭でこっそり餌をやってるのがバレたら、ミーコが追い出されると思って……」
「それで今まで黙っていたんですか?」
私が尋ねると一松さんは頷いた。
「確かにミーは猫アレルギーザンス。でも裏庭に住み着いたからって追い出したりはしないザンスよ?」
イヤミマネージャーが困惑したように言った。
「なんだ……よかった……」
一松さんの顔が明るくなる。