《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第7章 カルーアミルクを桃色に(※トド松)
「先輩、かなり酔ってるみたいですけど、大丈夫ですか? カルーアミルクばっかり、それで何杯目ですか?」
「ん〜? うーん、ごめんねぇ、ゆりちゃん……。でも僕、酔ってないよぉ……」
トド松先輩が甘えたような声で言う。
「先輩、もう帰りましょ?」
「え〜帰るのぉ? も〜しょ〜がないなぁ〜」
「送っていきますけど、ご自宅はどちらですか?」
「…………」
返事はなく、トド松先輩は気持ち良さそうな寝息を立てていた。
チビ太さんが困ったように頭を掻く。
「トド松のやつ、今日はハイペースで飲んでたな」
「いつもは違うんですか?」
「いや、こいつ酒は強い方なんだけどな。でも、ゆりちゃんと一緒だったから、調子に乗って飲みすぎちまったんだろうなあ」
「私も勧めちゃってたし……悪いことしちゃいましたね……」
「いやぁ、自業自得だろ」
チビ太さんが呆れたように言った。
私はお勘定を済ませると、トド松先輩の肩を担ぐ。
可愛いとは言っても、先輩も大人の男。
それなりに体重はある。
私の肩には先輩の重みがのしかかり、歩き出すのもやっとだった。
引きずるようにして、何とか大通りまで出ると、タクシーを捕まえる。
後部座席に無理矢理トド松先輩を押し込み、自分も乗り込むと行く先を告げる。
タクシーが走り出し、一息ついた頃には私は全身汗だくになっていた。