双子の悪戯 Fred and George Weasly
第2章 ~2ヶ月前~追憶
フレッドはちらっとその集団を見た。
すると、その中にこの前のクィディッチの練習前、ジョージに真っ赤な顔で、「頑張ってね」と声をかけて来たレイブンクロー生が混じっているのに気がついた。
初め僕が通ったとき、ちょっとざわついたんだ。だけどリーがフレッドって呼んだから僕がジョージじゃないってわかったんだ。見分けも付いてないくせに……。今だって、僕とジョージが同時に打ったから……。
見知らぬレイブンクロー生に対して怒りが湧いてくる。
それと同時にジョージにも的はずれな怒りが湧いて来た。
僕の知らないところで何やったんだあいつ……。
フレッドは怒りと動揺のあまり、ゴールポストのウッドの方に飛んでいくブラッジャーに気づかなかった。
「おい!ジョ…。ウィーズリー!ちゃんと見ろ!」
ウッドが間一髪ブラッジャーを避けながら叫ぶ。
チームメイトでさえプレイ中は見分けられないんだ。
あのレイブンクローのやつなんかに…。
「フレッド、ウッドがいなくなったら練習が減るからといってそりゃあないぜ」
ジョージがこっちに飛んでくるついでにニヤッと笑う。
「黙れよ」
フレッドはきっぱり言った。
このままじゃ、ジョージがいつか、誰かのものになってしまう。
「あの連中はなんだい?」
「ああ、あれ…なんでもないよ」
ジョージもまんざらでもなさそうだ。
ジョージはいつか必ず誰かのものになる。その日は、近いのかもしれない。
しかしあのレイブンクローのやつ…。