双子の悪戯 Fred and George Weasly
第1章 三年生、クリスマス。
午後は嫌がっているパーシーを強制参加させて、ジョージ、フレッド、ロン、ハリーで雪合戦を楽しんだ。
ジョージとフレッドは今朝の出来事を忘れるくらいビショビショになり、また、他の3人をビショビショにした。
全員凍えながら部屋に戻り、着替えて大広間で夕食をとった。
夕食は毎年のように素晴らしかった。
満腹になって部屋に戻ると、すぐにベッドに入って眠ってしまった。
深く、深く……。
「痛っ」
耳に微かな痛みが走って起きた。
「おはよう、ジョージ君」まだあどけなさの残る低い作り声だ。どうやら耳を甘噛みされたようだ。
フレッドは布団を挟んでジョージの上に乗っている。
時計を見ると、まだ2時間しか眠っていない。
「なんだよ、まだ1時じゃないか」
「眠れなくてね。君がぐっすり眠っているのが癪だったというわけだ」
フレッドの気取った作り声が少し震えている気がして、目をこすって相棒の顔を見た。
その瞬間、ジョージはフレッドに抱きしめられた。
「ちょ、なんだよ…」
フレッドは泣いていた。
「どうした?」抱きしめ返して頭を撫でながら聞く。
「…だよ。…でなんだよ」
「え?」
「なんで隠さなきゃいけないんだよ…」
すっと、今日の出来事を思い出した。
握った手。ハリーの目線。離した手…。
「僕はずっとジョージといたいんだ。本当なはずなのになんで、みんなに言えないんだろう」
返す言葉が見つからない。
「僕はずっとジョージといたいんだ…それだけなんだよ…。」
啜り泣くフレッドはまるで別人のようだった。
「いいじゃないか。僕らはずっと一緒だっただろ?これからもずっと一緒だ。何も変わりないじゃないか。」
ジョージは続ける。
「そりゃあ僕たちが兄弟以上の関係だってことは、今はまだ言わないほうがいいかもしれない。けど…。今はまだ、このままで…。僕は幸せだよ、フレッド」
フレッドが泣きながらジョージの胸に顔をうずめた。
「ジョージ、愛してる」
そしてフレッドは顔を起こして、我を失ったようにキスをした。
唇が触れるだけの軽いキス、軽いキス、舌で唇をなぞられてジョージは気が高ぶるのを感じた。