双子の悪戯 Fred and George Weasly
第1章 三年生、クリスマス。
Side George
目を覚ますと目の前にフレッドがいた。
「メリークリスマス、ジョージ」
ジョージによく似た唇が濡れて光っている。
「クリスマス早々やるじゃないか、兄弟」
「プレゼントだぞ」
ジョージの言葉を無視して、絶対にジョージの頭に当たるように、フレッドがママからのプレゼントを投げてよこした。
「賭けるぜ。セーターとヌガー」
「乗った。マフラーとファッジ」
フレッドが自分のベッドに戻って包みを開ける。
「相棒、セーターとファッジだぜ。」
「賭けはなしだ」
ジョージは早速ファッジを取り出して一口かじる。
「またこの色か」
文句を言いつつ、パジャマの上からセーターを着ているフレッドはとてもかわいかった。
ミュリエル大おばさんからの包みを開けると、蛙の卵がベッドに溢れた。
メッセージ入りだ。「魔法薬に役立つぞぇ」
「最悪だぜ」
ミュリエルからの包みを早く開けろよと言おうとすると、フレッドはもうすでに開けているところだった。
「最悪だぜ、おいジョージ、ミュリエルのやつを早く開けろよ」
ジョージの冷ややかな目線に気づいたフレッドはニヤっとして、
「まあ、例の計画に役に立つかもしれないぜ、相棒」と言った。
フレッドはいたずら専門店のことを言っているのだ。
以前からジョージとフレッドはいたずら専門店を開くために商品の開発をしているが、材料集めの資金繰りには困っていた。
ジョージは蛙の卵をベッドの横の机に置いた。
残るはフレッドのだ。
去年のクリスマス、フレッドからの鼻食いつきティーカップに食いつかれたことを思い出しながら、恐る恐る包みをほどく。
何にも噛みつかれなかった。
代わりに黒いピカピカの、クィディッチのグローブが入っていた。
ジョージは息を飲んだ。グローブはもちろん嬉しかったが、驚いたのはそれだけではなかった。
「ジョージ、グローブをサンキューな。」
「こちらこそだぜフレッド」
「安くなかっただろ」
「なんで同じなんだよ、バカチン」
偶然2人がお互いのために同じものを選んだ。
なんだかこそばゆくなって、たまらなくキスした。
半開きの目を見交わし、ニヤっと笑うと、フレッドが言った。
「おい相棒、そろそろロニー坊やに俺らからの臭い玉の感想を聞いてもいい時間じゃないか?」