双子の悪戯 Fred and George Weasly
第1章 三年生、クリスマス。
図書館に着くと、案の定マダムピンスを除いて誰もいなかった。
手を離そうとするジョージの手を再度握りしめ、本棚の奥に向かった。
「多分この辺なんだよなあ」
本を探するふりをして、一応取り繕う。
というか、変に緊張している。
「いつもの悪戯はお前先導なのに、今日はどうしたんだ?フレディ。」
フレッドがジョージの方を見ると、いつもの悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「お前の魂胆はお見通しだぜ、相棒」
フレッドは顔が赤くなるのを感じた。
実を言うと、両思いがわかって2ヶ月がたっても、手を繋ぐ以上のことは何もしていないのだ。
「図書館なら誰もいないもんな」
また、ジョージがニヤっとする。
つられて笑ってしまう。
しかし、ジョージはすぐに真顔に戻る。
どうしたのかと思うと、つぎの瞬間、自分の唇が何か柔らかいものに包まれているのを感じた。
反射的に目を閉じた。
でも、何が起こっているのか、本当はわかっているけど、確かめたくてすぐに目を開けた。
自分の双子の弟が、目を半分伏せて、唇を自分の唇に重ねている。
ジョージの柔らかい感触が、少しずつ動いていく。
動けない…。フレッドも合わせて唇を動かす。
遂に、ジョージ・ウィーズリー、双子の相棒とキスしてしまったという背徳感、いやそれよりも満足感、達成感が押し寄せる。
元々一つだったものが二つに引き離されて、やっと戻れたような安心感を覚えた。
そっとジョージの唇を舌でこじ開ける。
ジョージの口から息が漏れて、声になる。
弟の顔が、赤くなる。
ジョージの舌も入ってきて、もう何が何だかわからない。
罰則中のリーには申し訳ないけど、糞爆弾を何個爆発させるより。この方が、ずっといい…。
フレッドはジョージの腰に手を回し、抱き寄せ、もっと舌を絡める。
ピチャピチャという音が、静かな図書館に響く。
はあっとフレッドが息を吐くと、ジョージが離れた。
もう少し…。
物欲しげなフレッドの顔を見て、ジョージが言う。
「明日まで待てよ、何しろそこに、グリフィンドールの新入生ハーマイオニーがいるんだ」
少し惜しいと思いながらも冷静になり、糞爆弾の件を思い出した。
「学期末だし、談話室で糞爆弾をどーんと一発やっちまうのはどうだ?相棒」
「ナイスアイディア」
目を見交わし、我慢できず、ニヤっと笑いあった。