双子の悪戯 Fred and George Weasly
第1章 三年生、クリスマス。
Side Fred
秋に同じ気持ちを確認しあったばかりのフレッドとジョージは最近、前にも増して長い時間を共にしている。
今年は両親がルーマニアでドラゴンの研究をしているチャーリーを訪ねにいくことになっているから、既にクリスマスムード一色のホグワーツに残ることになっている。
生徒が溢れるホグワーツでは2人きりにはなかなかなれず、フレッドは早く隠れ穴の2人部屋に戻りたかった。でもリーも、同室のみんなも家に帰るみたいだからまあ同じことだろう。
金曜の午後の変身術が終わると、もう明日からクリスマス休暇だ。
みんながいる最後の日、暇つぶしに糞爆弾でも爆発させようかなぁ、とフレッドはおもう。
でも、リーがピーブズをけしかけたとかでマグゴナガルに罰則を食らって、最後の日だというのに不在だ。
残念だけど、気を取り直して一足早く2人きりのクリスマスを楽しむとすることにした。つまり…。
「ねえフレッド。」
ジョージが眠い目を潤ませてフレッドの方を見た。
我が弟ながらとてもかわいい。
「なんだよ」
なんでもないふりをして言う。
「これから夕食まで、時間あるけど…どうする?」
フレッドは今すぐに忍びの地図で誰もいない場所を探し出して、ジョージに襲いかかりたくなった。
「ちょっと図書館行こうぜ。調べものがあって。」
勿論嘘だ。
学期最後の日に調べものや宿題があるやつなんて、いるわけがない。
今頃図書館は、空っぽだ。
「…」
ジョージは何も言わなかった。行き先がお気に召さないんだろう。不思議に思っているのかもしれない。
そっと相棒の手を握ると、ジョージは一瞬驚いたがそれからぎゅっと、握り返してきた。