双子の悪戯 Fred and George Weasly
第2章 ~2ヶ月前~追憶
George side
フレッドの気持ちを知って、飛び上がりたいほど嬉しいのを抑えてジョージは言う。
「結局妬いてたんだな」
ジョージはニヤッとする。
「嫉妬は嫉妬でも対象が違ったってことか、なるほどな」
「だまれよ、幸せな気分と雰囲気をぶち壊しにしてるぜ」
「してないだろ」
ジョージはよくわかっていた。
「で、結局あの『レイブンクローの子』のことだけど…あ、ちなみにあの子ハッフルパフな」
そうだったのか。フレッドが、適当に相槌を打つ。
「あの子のこと、覚えてないか?あの子は1年生なんだけど、新学期の次の日に、運悪く廊下の鎧を壊して、しかもそれをミセスノリスに見られたんだ。そしたらお前は、その近くの近道を教えてやったんだよ。フィルチの知らない近道をな。」
フレッドはかすかにそのことを思い出した。
「それで、あの子はお前の優しさに感銘を受けて、逃げた後お前と勘違いして僕のところに来たんだ。礼を言おうと思ったらしい。だけど違ったもんだから、ついでに相談することにしたんだな。なんでも友達にお前のファンがいるらしくて」
ジョージはニヤッと笑う。
「まあ、腹を決めたよ。僕はお前とどうこうなるなんて思ってなかったから」
ここでジョージは少し赤くなる。
「お前に恋人ができて幸せになるのを見るのもいいかなって思ったんだ。それなのにお前の様子がおかしくて」
フレッドは驚いたのか、物も言わなかった。
「じゃあ僕たち結局、同じ気持ちでいた訳だ」
しばらくしてフレッドが申し訳なさそうにいう。
「ごめんよ相棒。イライラして」
「いいさ、イライラはお袋で慣れっこだからな」
右手に暖かく、柔らかいものを感じた。
フレッドに手を握られていた。
ジョージはフレッドの方を見てニヤッとしようとしたが出来なかった。曖昧に微笑んで、自分と同じ大きさの、大人になる前の柔らかい手を握り返した。
ふくろう小屋までの近道を、ジョージとフレッドはよく知っていたが今日ばかりは、遠回りをしていこうかなとジョージは思った。