• テキストサイズ

そして今日も生きていく【R18】

第10章 ペンダント


樹輝side

颯太と昂が向かい合っている。

「あの、樹輝先輩。今から何を?」

海堂が隣で見学していた。

「……腕試しみたいなもんだろ。」

「危なくないですか?」

「危ないな。」

「えー……颯太さんやめて欲しいな……」

昂が颯太に向かって走り出す。
速い。

走りながら水を生み出し、刃物のような形を作る。
あんな一瞬で……

颯太も仕掛けるが間に合わない。

「おっそ……」

「くっ……!」

昂が腕を振り下ろす。
颯太はギリギリの所で避ける。

ズドーンッ!

颯太がさっきまでいた所の床にはヒビが入っている。
物凄い威力だ。

昂は振り下ろした腕をそのまま颯太が避けた方へ動かす。

「うっ!」

颯太は水の中に飲み込まれ身動きが取れないでいた。

「颯太さん!」

「じゃあ、ばいばーい♪」

昂は颯太を水中に入れたまま、天井に打ち付けた。

「がはっ!」

物凄い勢いで落ちてくる颯太を受けとめようと海堂が走るが、後ろから将樹が追いつき颯太を受け止めた。

やっぱ速い。

正直、海堂じゃ間に合ってなかった。

「おい、昂。加減考えろ。やりすぎだ。」

「ごめんごめん。」

「颯太さん……大丈夫ですか?」

颯太は気を失っていた。
そりゃそうだ。
かなり強く打ち付けられていた。

「なんか早かったな。全然火出してなかったし。」

昂がこちらを見る。

「なんだよ。」

「……腕試ししてやるよ。その銃。」

「いや、俺はいい。」

「……いつまでも強くならないよ。次はちゃんと手加減するから。」

ヒカルを守るため……
俺は強くならねぇと。
/ 245ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp