第9章 新しい恋
颯太said
「先輩……もう一度言います……付き合ってください。」
海堂は俺の方に向き直し、俺を抱きしめて言う。
「俺に……先輩の全部ください……」
真っ直ぐな目……
一途なとこ……
優しく包むような笑顔……
落ち着いた声……
温かい手……
抱き締められるのも、付いてこられるのも嫌だった……
けど、今は何故かもっと抱きしめていて欲しいと思えた。
もう何処にも行かないで俺だけを見ていてほしい。
今まで感じたこともなかった温もりや感情に思わずドキドキして……
信じたくないけど……これは恋だ。
返事はもちろん「うん」と言いたい……でも照れくさくてうまく言えない。
「……仕方ないな……付き合ってやるよ……////」
「本当ですか?!やったぁ!!」
海堂が手を上げて喜ぶ。
「あ!今日、先輩の家に行きますね(笑)」
「は?!いきなり言われても……」
まぁ、今日は親いないし……いいか。
「……わかったよ。」