第8章 仲間……?
樹輝side
学校も終わり、家に帰ってくるとヒカルはベッドで横になっていた。
「……大丈夫か?」
「うーん、少しは治った。イツキは痛くないの?」
「痛てぇけど……そこまでは……」
将樹に来いって言われたけど、今日は断るか。
「どうかしたの?」
「いや、今日将樹に来るように言われたけど……歩けねぇだろ?断ろうと思って。」
「そんなの申し訳ないよ!」
ヒカルは慌てて準備をする。
「はい!お待たせ!」
俺はわざとヒカルの腰をぐっと押した。
「あ゛っ!」
膝から崩れ落ちる。
「っくく……無理すんな(笑)」
「いーつーきー!酷いよぉ……いいよ、行こう。我慢できるから。」
多分、聞かねぇな……
「分かったよ。」
外はまだ明るい。
小学生がランドセルを背負ってはしゃいでいる。
「ヒカル。手。」
「っ!」
昨日は避けられたけど今回は握ってくれた。
……俺たち恋人同士でいいんだよな?
実感が湧かない。
俺はヒカルの手を握り返し恋人繋ぎをする。
「何これ?」
「恋人繋ぎ。嫌か?」
「ううん!そっか……ボク達そういう関係なんだ。」
お互い、実感が湧いていない。
それもそうだ。
昨日身体を合わせたくらいでそれまでは恋人同士みたいなもんだった。
一緒に住んで、風呂も一緒に入って……一緒に寝て……
無理もない。
ただ、コイツとキスできるのは俺だけ。
他の奴だと死んじまう。
更に特別に感じる。
「イツキ……」
「?」
「大好き。」
「……俺もだよ。」
大好き……その言葉は俺の心に強く響く。