第8章 仲間……?
颯太side
「ちょっと!先輩!待って下さい!はぐれちゃいます!」
結局来てしまった。
後で知った事だけど、コイツ……
かなりモテるやつだったぁぁぁ!!
確かに顔はカッコよすぎるよ!!
芸能人かよってくらいだ。
いっくんにしか目を向けてなかったから全然知らなかった……
「先輩!」
腕を掴まれる。
「なに?」
「ゆっくり歩きましょうよ。まだ打ち上げまで時間がありますし。何か食べましょう。」
「……別に腹減って……「うおぉぉぉ!!美味そぉぉ!!」はぁ!?」
急に走り出してたこ焼きを見つめている。
餓鬼だ。
「そこが空いてるんで座って食べましょう!」
「おぉ……」
「はい、あーん。」
「やらねぇよ!カップルじゃあるまいし!」
「ケチー。」
海堂はひとりでたこ焼きを食べた。
その姿を見ていると俺も腹が減ってきた。
何か買ってくるか。
「先輩?どこに行くんですか?」
「腹減ったから買ってくる。」
「じゃあ、ここで待ってます!」
って言っても何買うかな……
目に入ったのはりんご飴。
懐かしいな。
確か小さい時祭り来たらよく食べてたな。
久しぶりに味を思い出したくてつい買ってしまった。
「!先輩って甘いの好きなんですか?」
「いや、ただ久しぶりに食べたくなっただけ。」
やっぱ甘いな。
けど懐かしくて何度も舐めてしまう。
「あ、そうだ。先輩、あっちだと人も少なくて見やすいですよ?行きましょう!」
「え、ちょっ!」
無理矢理腕を引かれる。
連れてこられた場所は本当に誰も居なかった。
「ほら、もう上がりますよ?」
「んん。」
りんご飴を舐めたまま返事をする。
ドーン!
あ、上がった。
今年最後の花火。
あーあ、今頃いっくん達は一緒に見てるんだろうな。
羨ましい。
「綺麗ですね。」
「ほーらな(そーだな)」
今日はカップルが多いな。
それもそうか。
最後の夏だもんな。
なのに俺は……何やってんだか。