第7章 伝えたい……でも伝わらない
樹輝side
「ただいまー」
ん?ヒカルの返事がない。
「ヒカルー」
寝てるのか?
部屋に入ってみると隅っこでうずくまっていた。
なにやってんだ?
「……何やってんだよ……」
「わぁ!?イツキ!?////」
何だよ、その反応……
「……今日、花火大会行くから着替えろ。1時間後に出るぞ。」
急にヒカルが後ろから抱きつく。
今日は何か様子がおかしい。
いや、ここ最近ずっとか。
「イツキ……大好き……だよ……////」
大好き……その言葉が俺の思ってる意味だといいんだが……
コイツの好きは食べ物の好きと同じで恋愛の好きじゃない。
「……はいはい、いいから準備。」
適当に応えて制服から私服に着替える。
その時、ヒカルの暗い顔が見えたと同時に今まで以上に胸が苦しんだ。
本当に何を考えてるんだ……こいつは……