第7章 伝えたい……でも伝わらない
樹輝side
「で?あれ誰?」
「……ストーカー……」
「颯太先輩ー!」
「……呼んでるぞ?いいのか?」
「うぅ……」
1日学校を休んで登校すると、色々とあったみたいで、颯太が後輩にストーカーされているようだ。
廊下から俺らの教室を見つめている。
「……何か飼い主をじっと待つ犬みたいだな。可哀想。」
「うぅ……」
颯太は立ち上がり、廊下に向かう。
「あ、あのさ……教室に来るのはやめてくれない?流石に迷惑……」
「ご、ごめんなさい……じゃ、じゃあ!今夜の花火大会!一緒に行ってくれませんか?!」
「あ、あのねぇ……」
花火大会……そう言えば今日ヒカルと行く予定だ。
アイツら行けばいいのに……
……帰ってきた。
「で?何だって?」
「花火大会行こうって。」
「行くのか?」
「うーん……OKしてくれなきゃ家まで押しかけるって言われた。」
1年怖ぇな……
「……意外と楽しいかもしれねぇだろ?」
「うん……そうだといいけど……」
こんなに落ちこんでる颯太は初めて見た。