第7章 伝えたい……でも伝わらない
颯太side
……あーあ………
1人って暇ー
今日はいっくん休みだし……
ただ屋上でボーとしてる一日……
いつもはここに将樹くんがいるんだけど……
昨日から見ていない……
「何やってるんだろ……俺……」
何であんなことしたかな……昨日……
結局……いっくんとヒカルがイチャイチャしてるの見ただけじゃん。
失恋したの分かってるのに……
手に水が落ちる……
雨?
違う。こんなに晴れてるのに……
……俺、泣いてる?
「あれ?……止まんない……」
何か胸の所が空っぽになった感じ……
ただ、泣くしかない……
今は俺一人しかいないんだ……だったら……もういい……泣いてしまおう……
「うっ……うぐっ……っ!?」
急に腕を掴まれた……
嘘……一人しかいないと思ってたのに……
「ちょっ!お前っ!誰だよ!」
「1年5組、海堂晃。誕生日は10月25日。血液型A型。身長……」
そいつは俺の手をドンドン引いて自分のことについて話していく……
海堂……?
初めて聞いた名前だ。
当たり前だ。
1年。
連れてこられた場所は中庭を抜けてずっと真っ直ぐ……
外れにある裏庭……
こんな場所は初めてきた。
「っ……ここ……」
「颯太先輩!!」
「っ!?はい!?」
何で俺の名前知ってんだ!?
「……涙……止まったみたいですね(笑)」
急に笑顔……
「……ってか!それはお前が急に!」
「だって、先輩が泣いてるからですよ(笑)」
「なっ!?////」
なんだ……コイツ……
しかも俺より背が高いし……
何かムカつく……
「ここ素敵でしょ?誰も来ないんですよ?こんなに綺麗なのに……」
確かに綺麗だ。
心が落ち着く……
「……颯太先輩……俺……先輩の事好きです……」
……は?
え……ん?好き?
「……何言って……」
「だから好きなんです!」
「……ごめん、ちょっと……」
何言ってんだコイツ!?