第1章 青と黄色の少年
樹輝side
カラオケ店を出ると外はもう真っ暗だった。
俺は1人歩いて帰っていた。
いつものように白い施設を通り過ぎようとした時だった。
ドォォォン!!
「!?っなんだ!?」
急に施設が爆発した。
あの中にはアイツが……
気がついたら俺は走って炎が上がっている施設に向かっていた。
建物は既に原型がなく瓦礫と死体がそこら中に散らばっていた。
「どこだ……あっち!くそ……」
熱すぎる。
この状況じゃ助かってねぇかもな……
「……いた!」
俺は走り寄り様子を見る。
心臓も動いているし、呼吸もしている。
大丈夫の様だ。
俺はソイツを背負った。
足元に何か落ちている。
資料か?
遠くからサイレンの音が聞こえる。
消防車と救急車か……
何となく逃げないといけない気がした。
家まで走って帰る。
「はぁ……はぁ……着いた……」
慌てて来たから資料まで持ってきてしまった。
とりあえず、コイツを寝かせて怪我の治療しねぇとな。
ていうか何で俺逃げてきたんだ?
コイツを背負った瞬間に逃げないとと感じた。
「あれ……怪我が無い……火傷の痕も……」
さっきまであったはずだ。
服だけはボロボロ……