第6章 この感情の答え
樹輝side
「……頭痛てぇ……」
「いっくん、大丈夫?」
昨日濡れて帰ったから風邪ひいたかもしんねぇな……
颯太は今まで通り俺と接っする。
まぁ、約束したしな……
颯太は額を俺とくっつけた。
「うーん……少し熱い気がするんだけど……」
「颯太……近い。」
「あ!ごめん!……今日はもう帰れば?あと1時間で昼休みだし。……ヒカルも……心配なんでしょ?」
ヒカルはあの後、俺との接触を避けていた。
理由が分からない。
胸の痛みも取れないままだ。
「……あ!そう言えばさ、明後日今年最後の花火大会があるらしいよ!それに一緒に行って見せてやれば?少しは機嫌治るんじゃ?」
「……けど、理由が分からないんだぞ?」
「いいから行ってきなって。花火とか見たことないんじゃない?アイツ。」
確かにそうだ。
見たことがないはず。
だったら風邪早く治して行ってみるか。
「俺帰る。」
「わかった。気をつけて帰ってね。」
「おぉ。」
……そう言えば今日、将樹見てねぇな。
休みか?