第6章 この感情の答え
樹輝side
着いた……
雨が酷くなる前に着いた。
「ん……」
「颯太、家に着いたぞ?」
「い、いっくん?!////」
「……早く降りろ……重いから。」
「う、うん!!」
顔が真っ赤だ。
颯太は慌てて鍵を開ける。
「えーと……中入る?」
「いや、遠慮しとく。俺、雨で濡れてるし。早く帰らねぇと。」
「そ、そっか……////」
俺は帰ろうと背を向けた。
「待って!」
背中に抱きつかれる。
気持ち悪いから離れてほしい。
「……さっきの……そのキスって……////」
「……お前らを止めたかっただけだ。勘違いするな。」
「え……」
颯太の腕が緩む。
「お前には恋なんてしてねぇし、俺には好きな奴がいるんだ。あれは何もねぇよ。」
「……好きな奴ってヒカル?」
「……言わねぇよ。」
「何でアイツ?」
「……どうでもいいだろ。あと、お前のこと許してねぇよ。ヒカルに……あんな事しやがって。」
「……ごめん……だって!」
「だってじゃねぇよ!アイツがどんだけ今まで苦しい思いしてきたか……知らねぇくせに……」
「……」
颯太は俯き黙り込む。
「……ただ、これからは友達としてなら接してやるよ。ヒカルも能力者だ。協力して欲しい。」
「!いいの?あんなことしたのに……」
「……約束しろ。これからはヒカルに手を出さないって。それが条件だ。」
「……わかった。ごめん。」
「じゃあな。明日ちゃんと来いよ。」
あー!くそ!普段こんな事言わねぇのに!!
とりあえず、結果オーライだな。
っ!!なんだこれ……ヒカル?
急に今まで感じた事無いような不安が募ってきた。
早く……帰らねぇと……
俺は家まで全速力で走った。