第6章 この感情の答え
ヒカルside
空から水が落ちてきた。
もしかして、これがイツキが教えてくれた雨?
さっきまで青かった空が暗くなって、ボクの感情と重なる。
痛い……痛いよ……
誰か助けて……
雨はどんどん強くなる。
この感情……ほんとに何なの?
『恋……』
マサキの言葉が浮かぶ……
恋……これが?
確かにイツキがキスしたの見て嫌だって思った。
それにボクはイツキのこと大好き。
でも、イツキはボクのこの感情は違うって言ってた。
だから、たぶん違うんだ。
じゃあ、この感情は?
家に着いた。
あ……中に入れない……
イツキがいつも鍵持ってる。
びちゃびちゃに濡れて少し寒い……
何か最悪……
死ねたら楽なのに……
ドアの前に座り込んで1時間経った。
イツキ遅いな……大丈夫かな……
ここは建物の4階……アパートって言ってたけ?
イツキが帰ってきたか見てみようと下を覗く。
誰もいない。
ただ、雨はさっきより酷くなってる。
……ここから飛び降りたら死ねるかな?
こんな感情……もうやだ。
苦しすぎる……
ボクは足を手すりにかけた。
楽に……楽になれる……