第6章 この感情の答え
樹輝side
ヒカルの様子がおかしい……
気分でも悪いのか?
「ヒカル?おいで?」
手を差し出す。
が……全く動かない……
「……ヒカル?」
ヒカルは手を取ろうとはしない。
ん?泣いてる……?
「どうしたんだよ……何で泣いてんだ?」
「えっ?あ、あれ?……」
ヒカルは目を擦る。
「ご、ごめん……なんか体おかしくて……先に帰ってるね!」
「1人で大丈夫か?」
「うん……平気……」
すると走り出した。
ほんとに大丈夫か?アイツ……
俺は颯太の家に向かった。
確かこっちだったよな。
前に無理やり紹介された。
しばらく歩くと、雫が頬に当たった。
雨だ。
酷くなりそうだ。
ヒカルのやつ……ちゃんと家に帰りついてるといいんだが……
……なんか心臓が痛ぇな。
寂しい感情とどこか似た痛み……
なんだ……?