第5章 颯太の本性
樹輝side
は?
ちょっと待て……
「颯太……お前……」
「……好きだよ。いっくんのこと。ずっと好きだよ。」
マジかよ……
「だから……邪魔者のアンタには消えて貰うよ。……ヒカル……」
「待て!颯太!!」
もう颯太の目はヒカルしか見てなかった。
手には再び炎を作り出す。
俺はヒカルに直接当たらないように守ろうと背を向け隠す。
「……イツキ……退いて……」
……何言ってんだ……
けどヒカルの目は颯太を見ている。
何を言っても聞かなそうだった。
「ボクの能力忘れた?……どうせすぐ治る。イツキが怪我するよりボクが怪我した方がいいでしょ?」
前に出ようとするヒカルの腕を掴み止めたが、すぐに引き剥がされた。
「イツキはただの人間……ボクは能力者だよ。ボクが守る。」
振り返ったヒカルの目は両方とも輝いていた。
本気だ……
「……へぇ、意外……隠れているばっかだと思ったけど……でもそっちの方が俺も楽しめるから……」
「……イツキには怪我させない!!」
そして、2人とも同時に駆け出した。