第5章 颯太の本性
樹輝side
「ヒカルー、帰るぞー。」
空き教室の扉を開けヒカルを呼ぶ。
「っ!うん!」
「将樹、ありがとな。」
「あぁ……じゃあな。」
将樹は鞄を持ち、教室を出ていった。
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「あのね!今日、スマホって言うの教えて貰った!写真とか撮れるやつ!」
「よかったな。楽しかったか?」
「うん!でね、マサキと写真も撮ったよ!」
将樹と?
二人でって事か……
「ねぇ、イツキ。ボクねイツキとも撮りたいな。」
「……そうだな。」
俺はスマホを取り出し車の邪魔にならないような所に寄った。
「あ!ボクが撮る!!」
ヒカルは俺からスマホを取り上にかざした。
初めて触ったような感じじゃない。
将樹のを長く触っていたんだろう。
今度、何かお礼しねぇとな。
昨日から世話になってばっかりだ。
「イツキ!こっち見て!」
「あ、あぁ、ごめん。」
パシャ
「撮れた!」
画面をチェックすると……
「ぶっ……くくく……(笑)」
「な!?」
「ブレてる……(笑)」
「むー……」
身長が足りなかったんだろう。
背伸びをしていた。
「貸せよ。俺がやってやるから。」
「うん……」
俺はヒカルが写るように少し屈んだ。
パシャ……
「わぁ!撮れてる!!ありがとう!」
今度はちゃんと綺麗に撮れていた。
今までカメラなんて使ってこなかった。
これが初めて。
ヒカルとのツーショット……