第4章 異体同心
樹輝side
「お前とヒカル……たぶん異体同心みたいな関係だ。」
「異体同心……」
異体同心って……
体が違っていても心は固く結ばれているって意味じゃ……
「コイツと会ってからなんか変じゃなかったか?」
変な事……
「ヒカルの気持ちが何となく分かったり……怪我もしてないのに痛みを感じたり……」
「っ!あったような……」
あの時も……目が痛い気がして帰ってきたらヒカルが目を刺していた。
「……ヒカルが感じた事が伝わる。もちろん逆もだ。お前が感じた事はヒカルにも伝わる。」
「そんなことあるのか?」
「俺の親父……もう一つ手帳持ってたんだよ。その中に書いてあった。能力者と異体同心の関係を持つ者がいるって……出会った瞬間……その関係が成立する。」
「ちょ、ちょっと待て!それって俺以外にもいるのか?」
「いない。1人だけだ。お前は特別みたいだな。何となく気付いてはいたが。」
俺だけ?……けど何でヒカルと……
「……お前、ヒカルの能力……口付けで人を殺すことができるって言ったな……そんな能力は初めて聞いた。コイツには謎だらけだ。」
「……今日なんか色々ありすぎて……」
「まぁ、急に言われても……そうなるよな。……あと、颯太だったか?アイツ……気をつけろ。気に食わねぇ。」
颯太?
何であいつ……そう言えばヒカルも怖いって言ってたな。
能力者……か?
「?お前、そのペンダント……」
「これ?……養子に貰われる前に絶対に外すなって言われた。」
「……お前養子だったのか?」
「あぁ。養子に貰われる前、施設にたまに来てた神父がいたんだよ。その神父に。理由はよくわかんねぇけど、今まで1度も外してねぇよ。」
「その真ん中の……なんか不気味だな。」
「まぁ……今日は何かありがとな。まさかお前が能力者なんて。」
そろそろヒカルが本当に爆睡しそうな勢いだったから帰ろうとした。
「あぁ。何かあれば言え。力になるからな。」
「……おぅ。」