第4章 異体同心
樹輝side
ヒカルをおんぶしたまま歩いていた。
「あれ……イツキ……」
「起きたか?」
ヒカルは俺の背中から降り手を握った。
「ゴメン……」
「いいよ、それよりお前公園はいいのか?」
「あ……行きたい!」
まだ昼だ。
公園には子供がたくさんいたが母親が呼びに来て、連れて帰っていた。
昼ごはんを食べるのだろう。
今なら全然遊べるな。
「行くか。」
ヒカルが1番に向かったのは、滑り台。
階段から上り滑って行く。
「わぁぁぁ!」
興奮している。
やっぱ気持ちが伝わるのか。
次はブランコに走る。
こうやって見てると本当に小さい弟を持った気分だ。
「いーつーきー!」
座り足をバタバタさせている。
動かせという意味だろう。
「はいはい。」
「わぁぁぁぁ!!もっと!」
ヒカルはかなり楽しんでいる。
今までにないくらいに笑顔……
これだ。
俺が見たかった笑顔……
「……ヒカル……」
ブランコを止める。
「なに?」
「一旦家に帰ろうぜ。腹減っただろ?」
「ウン!」
その後も笑顔を絶やさなかった。
「ヒカル……お前うまく笑えるようになったな。」
「っ////」
顔が真っ赤になる。
「……早く帰るぞ。」
「う、ウン!////」