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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


樹輝side

「さぁ。始めよっか。」

「……。」

これで……未来が変わる……この世界とも……

「樹輝!」

扉が勢い良く開き、月が息を切らして出てきた。

「……月、さすがに執拗いよ。」

陽が月に冷たく言い放った。
月には優しかったのに……怒っている。

陽が目を光らせ、月を睨む。

「っ!?」

「月!?」

「ちょっとの間だけ、動きを止めとくね。本当はこんな事したくないんだけど。」

ただ動きを封じただけか。
びっくりした。

「だめっ……樹輝……」

俺は目を瞑り、街の方に手をかざした。

「そんな事したら……樹輝は死んじゃう……」

「……は?」

「次……能力使ったら……死ぬかもしれないって……神父さんが……」

死ぬ……?
いや、俺は死んでも……

「樹輝が死んだら、僕はどうやって生きて行けばいいの……?これからもずっと一緒にいるって……言ったのに。」

俺が死ねば……月は生きる事が出来ない。
そんな未来は望んでない。
俺には……月を残して死ぬ事なんて……出来ない。

かざしていた手を下ろした。

「……はぁ……もううんざりなんだけど……」

そう言って、俺の胸元のペンダントに手をかけた。
そして、思いっきり下に引っ張った。
その勢いで俺のペンダントは首から離れてしまった……

「あんたの命なんてどうでもいい……僕は月さえ生きてれば……母さんの復讐さえ出来ればどうなってもいいんだよ。」

「っ!樹輝!!」

俺の意識はそこで途絶えた。
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