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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


颯太side

目が覚めた時、ヒカルの泣きそうな顔が目の前にあった。
俺、死んだはず……

「そうた!!あきらが!!早く止めないと!!」

晃?

振り向くと晃はもう人間の姿ではなかった。
まるで獣……
しかも火の能力が……

って事はやっぱ俺死んだんじゃ……

状況が読めずワナワナしていると、ヒカルが横から耳元に叫んだ。

「そうた!!これは夢じゃない!!そうたは生きてる!!早くしないとあきらが死んじゃう!!」

「なんで晃が死ぬんだよ!?」

昂君も近くにいた。

「颯太……海堂の目的はアイツを殺す事だ。その目的が果たされたら海堂は死ぬ。けど、お前が生きてると知ったら治まるかもしれない。……救えるのはお前だけだ。」

「晃が……死ぬ……?」

晃の方を見ると相手は既にボロボロだ。
動けなくなってる。

「晃!」

俺の声に全く反応しない。
聴こえてないのか……
もっと近づかねぇと。

俺は走りながら晃の名前を呼んだ。

「晃!もうやめろ!」

「颯太!それ以上は!!」

昂君が遠くから止めたけど、ここで立ち止まるわけにはいかない。
晃の動きが止まった。
聴こえた?

けど、振り向かない。
俺は炎の中に飛び込み晃に抱きついた。
炎に包まれた晃はすごく熱かった。
怒りと憎しみと悲しみに溺れている。

「颯太……さん?」

「っ!晃!俺だ!」

晃が俺の存在に気づき身体の周りの炎を消した。
身体も人間と変わらない姿に戻った。

よかった……
いつもの晃だ……

「颯太さん……生きて……」

「ヒカルが治してくれた……」

晃が振り返り、俺の両頬に手を添え、額を引っつけあった。

「よかった……よかったっ……」

「晃……もういいから……やめろ。俺は大丈夫だから。」

晃は涙を流しながら笑顔を見せてくれた。

「はい……颯太さん……」

「……ただいま……」

晃の胸に入りそう言った。
ちゃんと帰ってこれた。
愛する人の元に……

「……お帰りなさい。」

優しい声で囁き、俺を力強く抱きしめた。
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