第15章 ズレた思い
ヒカルside
そうたの身体は冷えてしまっていて、氷のように固まっていた。
顔も白い。
呼吸はしてない。
でも心臓は僅かだけど動いてる……
「そうた……あきらが……あきらが死んじゃうよ!!」
「ヒカル……もう駄目だ……」
「そうた……このままじゃ……お願い……」
そうたの胸元に頭を付ける。
初めは嫌いだった……
でも、それはそうたの事全然知らなかったから。
仲良くなって、沢山話して……
たまに喧嘩して……
すごく楽しかった……
そんなそうたとはもう会えないの?
声も聞けないの?
喧嘩もできないの?
やだ……やだよ……
そうたはぼくの初めての友達だもん。
死んで欲しくない……
「……お願い……っ!」
心臓の音が……大きくなってる……
呼吸も少しだけどし始めた……
「生きてる……まだ生きてるよ!!」
ぼくは急いで治療をしようとそうたの体を調べた。
外傷はない。
「原因が……分からない……」
「原因?……あ!さっき体内に氷を吹き込んだとか言ってたぞ!」
こうが思い出して教えてくれた。
体内に……
そんなの……どうしたらいいか……
「ヒカル、難しく考えるな。今まで通りにやればいい。ただ元通りに治せばいい。」
「う、うん!」
ぼくは目を閉じ大きく息を吸った。
そうた、絶対助けるからね!