第3章 将樹
樹輝side
ヒカルの使っていたハサミは血だらけになっていたため、もう一つの方を使った。
斜めに切っていく。
「イツキ……」
「……なに?」
「怒ってる?」
「……別に。なんで怒る必要があるんだよ。」
「……ごめん……この部屋血だらけになっちゃった。」
確かに殺人現場みたいになっている。
俺はある日から潔癖症になってしまった。
と言ってもそこまではない。
若干潔癖症だ。
だから家の中はいつも綺麗にしている。
けど……これは酷い……
とりあえずヒカルを風呂にいれて、その間にここを掃除して……
「よし、出来た。こっち見てみろ。」
ヒカルが上目遣いで見てくる。
やばい、すげぇ似合ってる……
可愛い……
「イツキ?どうしたの?……失敗した?!」
慌ててヒカルが鏡を見る。
「あれ……これ……イツキが?……凄い。」
「に、似合ってる……ぞ?////」
ほんとらしくねぇな……俺。
「……?」
「ふ、風呂!入ってこい!髪の毛散らかすなよ?」
「……ウン……?」
ヒカルはそのまま風呂場に向かった。