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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


晃side

ずっと走って来て、いつの間にか周りは氷が張っていた。
かなり冷えている。

この氷……まさか……

嫌な予感が頭を過ぎり、鼓動が速まる。
さっきよりも速いスピードで走り、明るくなった部屋に辿り着いた。

「っ!海堂!?」

「昂先輩に愛美先輩……」

「将樹とヒカルは?」

「先に行けって言われて……颯太さんは……」

「……あそこ……」

指さされその方向を見ると、首を締め上げられた状態の颯太さんがいた。

「っ!どうして助けないんですか!?」

「助けたいのは山々なんだけど、俺らももう使えねぇんだよ。」

「そんな……」

このまま見ていることしか出来ないのか?
助けないと……

「っ!あちっ!」

颯太さんが相手の腕を掴み手に熱を加えた。
その影響で颯太さんの首からは手が離れ動けるようになった。

「ゴホッ!ゴホッ!……くそ……」

「颯太さん!」

「っ!晃!?お前……」

相手は俺の顔を見ると不敵に笑みを浮かべた。
まずい……

「颯太さん!離れてっ……!?」

「んっ!?////」

男は颯太さんにキスをした。
しかも、長い……
颯太さんは苦しそうに踠くが、力が弱まり膝から崩れ落ちてしまった。

「颯太……さん?」

「颯太!?」

昂先輩も愛美先輩も汗をかき、驚いた顔をした。
俺は何も考える事ができず、ただ呆然としていた。

「何を……何をした!!」

怒りがこみ上げてきて、そう叫んだ。
何が起きた……何で颯太さんは倒れたまま動かない……

「……氷を体内に吹き込んだ。少しずつ冷えて、数分後には死ぬ。どれくらいもつかな?(笑)」

死ぬ……?颯太さんが?
そんな……

「火の能力者だよね。通常とは違うから意外ともつかも(笑)」

俺はゆっくりと颯太さんに近づいてみた。
目は薄らと開いているが体が冷えている。
息も荒くなっていて傷も酷い。
かなり力使って、もう火を使えなくなっているのかもしれない。

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