第15章 ズレた思い
颯太side
昂君が戦いに勝って、俺達は更に上へと進んだ。
3階分くらいは登った。
それまでは誰とも遭遇せずに来れた。
昂君はあんなに戦ったのに全然疲れてるように見えない。
やっぱ強いな。
そう関心していたけど……
「愛美〜、さっきはありがとう、すっごい助かったよぉ」
愛美ちゃんにデレデレしてる。
一方、愛美ちゃんはガン無視。
相手にされてないし。
「よし、付き合おう!愛美!」
「やだ。」
即答された。
ちょっと可哀想に思えてきた。
ほんとに好きなんだな……
「待って、明かりつける。」
俺は付けれそうな所を見つけ、部屋を明るくした。
その瞬間、目の前からナイフが飛んできた。
「っ!?」
そのナイフはギリギリの所で愛美ちゃんが電気で弾き飛ばしてくれた。
「颯太、大丈夫?」
「あ、うん!ありがとう。」
「久しぶりだねぇ。愛美ちゃんだっけ?それから……昂君♡」
誰もいないのに女の人の声が聞こえる。
久しぶり?
会った事あるの?
「隠れてないで出てきたらどう?」
「そんなにツンツンしてたら昂君に嫌われちゃうわよ?」
「……。」
現れたのは女の人。
透明人間……?
「昂君、元気にしてた?」
「え、まぁ……」
「やっぱいい顔してるわね(笑)」
「昂、デレデレしないで。」
「してないよ!?」
……何か俺邪魔者?
離れとこ……
「そうだ、愛美ちゃんが負けたら、昂君頂戴?」
「ご勝手にどうぞ!」
愛美ちゃんが先に電気を放った。
こんな愛美ちゃん初めて見た。
……女の人って怒ると怖いって言うけど……
怒ってるのかな?
「おー、こわこわ。」
「昂君、大丈夫なの?」
「んーまぁ大丈夫だろ。愛美なら。」
「いや、そうじゃなくて……あの女の人と付き合うって事……」
「え?まぁ……スタイルいいし綺麗な人だよね……」
「昂……人が一生懸命戦ってる時に何考えてるの……変態。」
「ごめんって!……けど、俺には愛美しかいねぇから。」
俺の耳元にそう囁いた。