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そして今日も生きていく【R18】

第15章 ズレた思い


昂side

なるべく、光に当たらないようにして戦い続けた。
攻撃も何度か当てたが相手には全くダメージを与えられなかった。

「どうなってんだよ……全然効いてねぇ。」

そろそろ体力の限界だ。
使えるとしたらあと3回くらいか?

「……つまらない……君はもう少し冷静になって考えるべきだ。じゃないと……」

「っ!」

一瞬にして男は消えた。
そう思ったが、影が動くのが見えた。

「大事な人を失う事になるよ。」

後ろの方から声が聞こえた。
後ろには颯太と愛美がいたはず……

「2人とも光から離れろ!」

颯太はすぐに判断が出来たようで光から離れた。
だが、愛美は一歩も動かなかった。
……動けないのか?

「愛美!」

「……。」

既に影を捕まえられている。
遅れたか……

「まずは……1人目……」

「やめろ!!」

男は影を操り、愛美の影の胸あたりに刃物を刺そうと構えた。
もう駄目だ、守れない。
そう思った。

だが……

「ぐあっ!?」

目の前に電気が走った。
男はよろけて近くの壁に寄りかかる。

何が起きた?
愛美は傷1つ無い。

「昂。落ち着いて。こいつは影の使い。本体を狙っても無駄ならどうすればいいか……分かるはず。」

本体には無駄……
影の使い……
こいつはさっき、影に入って移動した。

そうか。
愛美は影に攻撃したのか。
だから効いた。
俺の攻撃が効かなかったのも、納得がいく。

「なるほどな……愛美、流石俺の嫁。」

「付き合った覚えもないけど。……今の1つ貸しね。」

「あぁ。さんきゅ。」

影を狙う。
そうすればこいつは倒せる。

俺は男に近づき影を掴んだ。
すげぇ……影掴んだの初めて……
紙みたいにペラペラだな。

そのまま引摺り光の当たる場所に連れてきた。

「お前の好きな光だ。」

「っ!やめっ!ゴポッ!」

影の頭部分に水の塊を作り、溺れさせる。
息が出来ず男は苦しむ。

「さっきのお返しだ。苦しめ。」

男はもがき続け、暫くすると気を失った。
死んではいないようだ。
なんとかここの階はクリアだな。

「昂君お疲れ様。」

「あぁ。時間かかったな、先急ぐぞ。」

俺達は更に上の階に進んだ。
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