第15章 ズレた思い
ヒカルside
まさきの怪我は酷かった。
治すことは出来たけど、出血が酷かったみたいでなかなか目が覚めない。
あんなに怪我してたのに、よく戦えたよね……
「……ヒカルさ……樹輝先輩と付き合ってるのによくそんな事できるよね。」
「そんなことって?」
「……膝枕。」
「え?普通じゃないの?床じゃ硬くて寝にくいかなって思ってこうしたんだけど……これだったらましかなって。」
「あ……そっか。ヒカルってこういうのは無知だった。」
無知?
あきらとはあまり話した事なかったから、今の時間が少し嬉しい。
今の内に色々話せたらいいけど。
「……俺だったら颯太さんがそんな事してたらすっごい怒るし嫉妬するけど。」
「……いつきも怒るかもしれないけど……でも……それがぼくにとっては嬉しいかも。それだけ好かれてるって事だもん。あきらもそうたのことが大好きだからでしょ?」
「まぁ……そうだけど……」
「あきらって本当そうたのこと好きなんだね。」
「あ、当たり前だ!!////」
あきらとそうたはいつまでも幸せにいて欲しいな。
そうたと初めてあった時は嫌だったけど、今は色々教えてくれるし優しいから好き。
「将樹先輩……起きないな。」
「うん……少し休ませてあげよう。まさきはいつもぼくたちの為に色々してくれるから。今くらいはゆっくりさせないと。」
「そうだな……」
ぼくはまさきの髪を撫でる。
凄くサラサラしてる。
黒髪も似合ってる。
金色の時は少し怖かったけど、黒にするだけでこんなに変わるんだ。
「ヒカルってさ、成長したよな。」
「え?」
「話し方……違和感なくなったし。小さい子供みたいだった考え方とかも今じゃ俺達とあまり変わらなくなった。」
「……いつきに出会えたから。いつきが居なかったら今頃ぼくは何も知らないままだったと思う。」
「……ヒカルこそ樹輝先輩の事大好きだよな……」
「?当たり前じゃん。」
あきらとそんな事を話しながらまさきが起きるのを待った。