第15章 ズレた思い
昂side
将樹、ヒカル、そして海堂を置いて俺たちは先に上の階に向かった。
上の階に来ると灯りが無くなり、再び暗闇に包まれていた。
「颯太、灯り頼む。」
「うん。」
あまり、颯太には能力を使わせたくはないが周りが見えねぇと俺らは全員終わりだ。
どこから襲われるか分からねぇから。
「周りに火をつけれそうな所はあるか?」
「うーん……どこかにあればいいんだけど……っ!」
颯太が何かに反応して後ろを振り向いた。
「どうした?」
「今……何か動いた……」
「確かか?」
「影が見えた……」
影?
「誰だ!」
叫んでも返事がない。
とにかく灯りが無いと何も見えねぇ。
「あった!」
颯太が火をさっきと同じように付ける。
灯りが付いていくうちに人影が見えた。
俺より結構年上の男だ。
暗い格好をしている。
目の色はグレー。